後悔する想い。

先日、友達のトヨタ・ハイエースを運転する機会がありました。基本的に私は人の車（特にＭＴ車。）は乗らない主義なのですが、この友達は「絶対お前の方がＭＴの運転は上手いから、気にしないで乗ってくれ！」となぜか私に運転させる事が多いのです。「ＭＴへのダメージだけの問題じゃなくて、事故とかの時の事考えてるんだけど？」と言っても聞いてくれなかったので、気は進みませんが運転しました。ちなみに、私は今回のハイエースのようなディーゼル車のＭＴに乗ると、必ず積載車が欲しくなります。「仕事で必要だし、あったら絶対便利だから！」等と言ってはいますが、完全に個人的に欲しいだけです。男は子供の頃に「働く車」が好きになると思いますが、その名残りがあるのでしょうか？ちなみに私のような仕事の仕方で積載車があってもほぼ意味はありません。提携している陸送会社ですべては事足りますし、ぶっちゃけ邪魔になる可能性の方が高いのです。「買ったら絶対後悔する！」と解っているのに欲しくなるのですから困ったモノです。やはり、あの荷台の動きが好きなのでしょうか？つい先日にお客さんが、車の引き上げに積載車で来られたのを見てしまったのでさらに欲しくなってしまっているのかもしれません。ちなみに子供の頃に１番好きだったのはゴミ収集車だったのですが、今になって欲しくなるのがゴミ収集車でなくてちょっと良かった気もします。早く胸を張って「仕事で絶対に積載車が必要！」と言えるくらいに頑張ろうと思います！

追いかけっこ。

先日、タービン不良が発覚したセカンドカーのスズキ・ジムニーですが、リビルドタービンに交換しても調子がイマイチでした。「タービンの次は点火系が怪しい・・・」と言うワケで、まずはプラグをチェックしたら結構消耗していたので交換。プラグを交換してもそこそこの調子だったので、「じゃあイグニッションコイルだろう！」と言う事でイグニッションコイルを交換したら完全復活。古い車にありがちなのですが、修理の時はこのように追いかけっこしているかのように悪い部分を順番に潰して行きます。イヤな追いかけっこなので、なるべく早く悪い部分を捕まえたいのですが、そう簡単に行かない場合も多々あるのです。修理依頼を受けた時も「まずはここがダメなのですが、ここを交換しても直るかどうかは不明です。」と言う言い方をするのですが、慣れていない方は必ずと言って良い程「直らない可能性もあるんですか？」と聞いて来られます。最新の車みたく、コンピューターにつなげたら故障箇所がすべて表示されるなら簡単なのですが、古い車は可能性を順番に潰して行くしかないのです。しかし、考え方によっては良い事もあります。可能性のあるパーツをすべてチェックして行く工程上、たくさんのパーツを外して行くので一緒に色々なメンテナンスが出来るのです。今回もタービン周りの消耗品や亀裂が入ったホース類、点火系とすべて新品になりました。次はどこにトラブルが発生するかは不明ですが、トラブルが起きたら「メンテナンスのチャンス！」と思ってどんどんメンテナンスして行こうと思います。

恐怖のアッセンブリー。

車好きなら修理の際等に「アッセンブリー」や「アッシー」と言った単語を耳にした事があると思います。意味は「構成ユニット」で、パーツ単体ではなくて周りも含めたユニット全体の事を指すのです。さて、このアッセンブリーですが場合によっては非常に余計なシステムになります。例えば、ぴんぽるのヘッドライト内の小さいパーツ１つだけが欲しいのに、アッセンブリーでしか注文出来ない場合はヘッドライトユニット丸ごと注文しなければいけなくなってしまうのです。たぶん数百円だと思われるパーツのために、ヘタしたら数十万円のユニットを買わないといけないのです。当然そんな財布に恐ろしい事は出来ないので、色々なルートを使って単品で取り寄せるのですが、この方法が年々難しくなって来ているのです。ポルシェだけに限りませんが、日本車の古いスポーツカー等も既に新品が無くなっていたり、昔はリビルドを作っていた業者がもう止めていたりと、パーツ探しに苦労する事が多くなって来ました。こう言う状況を見ていると「まだ使えるパーツごと新品に取り替えちゃうってもったいないなぁ・・・」と思ってしまいます。「リサイクルして資源を節約しよう！」や「みんなでエコカー乗って地球を守ろう！」等と言うのであれば、使える資源まで強制的に交換しなければならないようなシステムを何とかしてもらいたいです。

アクセルだけじゃない。

先日発生した、トヨタ・プリウスによる病院での事故の原因がフロアマットの可能性があるとのニュースが出ていました。純正マットの上にもう１枚敷いていたマットがズレてしまって、アクセルペダルを押さえ付けてしまっていた可能性があるみたいです。フロアマットは使い方次第ではキケンでもあり、車を傷める原因になる可能性のあるアイテムです。先程説明したアクセルの件もそうですが、ＭＴ車はクラッチを傷める可能性もあるのです。社外品等で、ちょっと厚めの高級感のあるマットが結構キケンなのですが、クラッチの下の部分に厚いマットがあるときちんとクラッチを最後まで踏み切れない場合があるのです。つまり、本来ならきちんと踏み込んでクラッチを切るハズなのに、マットのおかげで途中までしか踏めていない状態でギアチェンジをする事になるのです。きちんと切れていない状態でのギアチェンジが車に良いワケがありません。ずっとこのような状態で使っていると、それなりに早くクラッチ交換をする事になるので、定期的にマットの状態を確認した方が良いと思います。「きちんとクラッチ切れていないなら、ギアチェンジ自体が出来ないんじゃない？」と思われる方もいるかもしれませんが、フロアマットくらいの微妙な厚さだと出来てしまったりするのです。また、古い車だともともとがそれなりに劣化しているので、新車のようにきちんとクラッチ切ってなくてもギアチェンジが可能な場合が多かったりします。もし「今使っているマットは気に入っているから使い続けたいな・・・でもクラッチが傷むのは困る！」と言う方は、マットのクラッチペダルとアクセルペダルの下の部分を切り取ったり、自作でマットに穴を開けてどこかに固定する等の対策もオススメです。これから年末にかけて事故が非常に多い時期になって来ますので、自身が事故を起こさない対策も適度にするべきだと思います。

プロより先輩。

詳細は紹介出来ませんが当店のお客様のおかげで、「こう言う事を教える人がいるから、ああ言う人が完成するんだなぁ・・・」とスゴく納得出来る事があったのでちょっとご紹介します。当店のお客様で何名か大学生の方がいらっしゃるのですが、そのお客様の友達が「近いうちに車が欲しいので、色々教えて下さい！」と言って来られたので色々と相談に乗っていました。ちなみにその方の希望の車は「予算４０万円で、走りが楽しい軽自動車。」との事だったので、「ちゃんと走れる程度を求めるなら『運が良ければスズキ・アルトワークス（ＨＡ１１）や、スバル・ヴィヴィオＲＸ－Ｒがギリギリ行けるかも？』って感じだね。もしくはもっと年式の新しい、スズキ・アルトバンとかをベースにイジるって方法もあるよ？」と伝えていました。しかし、日が経つに連れて「もっと古いホンダ・トゥディとか、スバル・レックスとかは無理ですか？」と、どんどん不利な要素が多い車へと希望がチェンジして行くのです。「前も言ったけど、車は古くなればなる程ボディやエンジンにお金かかるよ？４０万円で買っても次の日にエンジンブローとか、ボディが腐って穴が空くとかって言う事があっても良いの？その予算でそれなりにまともな固体を選べるって言ったら、この前教えた年代がギリギリだよ？」と再度説明をしたのですが、なぜか「古いのでも安く買える！」と自信を持っているのです。結果、その方は別のお店でアルトワークス（ＣＲ２２Ｓ）を買ったのですが、この後がヒドいのです。まぁ予想通りと言いますか、とんでもない固体を売り付けられたようで、ボディもエンジンもメチャクチャです。１回ウチに見せに来ましたが、私だったら１０円でもいらないような固体でした。しかも、あれだけアドバイスをしたのにも拘らず「何でもっと教えてくれなかったんですか？」と私に言って来たり、挙句の果てには友達（当店のお客様）に「お前が古い車でも大丈夫って言ったんだから責任持て！」と言ってみたりと大変です。ちなみに当店のお客様は、どこのお店よりも古い車のリスクとお金がかかる事を私に脅かされて？いるので、口が裂けても「古い車でも大丈夫。」とは言わないです。しかし、何でそんなに自信を持っていたのかが不思議だったので、当店のお客様に聞いたら「同じ大学の先輩が車に詳しいらしくて、その先輩に色々吹き込まれたらしい。」との事でした。大学生と言ったら、年齢的にも車歴は１台とか２台と言ったレベルだと思います。家が車屋を経営していたり、親が趣味で車をイジっていると言うのであればそれなりに詳しい可能性はありますが、ほとんど車を知らない可能性の方が高いです。プロでも無い人間の言う事を鵜呑みにして、自身が失敗したからと言って友達に八つ当たりするのは人としてどうなのかと思いました。ちなみに何回か「安く直して下さい！」と来店や電話がありましたが、他のお客様の迷惑になるので出入り禁止にさせて頂きました。年齢は関係ありませんが、周りの意見に左右される方は徹底的に情報を集めるべきだと思います。また、意見を参考にするにしても聞いた相手がどのような人で、どれだけその事について詳しいのかをきちんと判断しないと今回のような事になるのだと思います。そして何回も言っていますが、ネット上に出ている情報の真偽をきちんと判断した方が良いと思います。ネットは非常にたくさんの情報を手軽に私達に提供してくれますが、間違った情報もたくさん提供してくれます。「この情報は本当かな？」と疑うクセと、「書いている人は本当の事を書ける人なのかな？」と確認するクセを身に付けるとネットの情報の使い方が解ると思います。しかし、今回の件で１番可哀相だったのは当店のお客様ですね・・・「変なヤツ紹介してしまって本当にすいません。」と平謝りされて、私まで申し訳ない気持ちになりました。自身で正しいと判断したなら、どのような結果が出ても自身で責任を取るべきだと思います。