あまりオススメしない拘り。

古い輸入スポーツカーを探している方で、純正パーツに拘る方（車種によります。）を結構見かけます。たまに「全部純正パーツの、フルノーマル車が欲しいです！」と相談して来られる方もいますが、個人的には純正に拘り過ぎるのはオススメしません。理由は簡単で、純正パーツではないパーツを使った「純正仕様」が多数出回っているからです。純正に拘る方が相場を無視した、とんでもない高値の設定でも純正を好む事は業者の誰もが知っています。となると、当然業者はカスタムした車が入庫したら純正に戻して販売します。「フルノーマルだったのに、何か足回りがおかしい。」や「後から調べたらボンネットが社外品だった。」等の話は良く聞きます。カスタムされた車両が５００万円くらいの相場だとすると、同程度のフルノーマル車は１０００万円と言う相場も珍しくないのですから、当然売る側はノーマルに戻します。１番大切なのは「ノーマルか、否か？」ではなく「今までどんな使われ方をして来たか？」なのです。現在では世界中から色々な社外パーツの取り寄せが可能です。高品質なモノもあれば、低品質で安いモノも多数存在します。低品質な社外の安いだけのノーマル仕様のパーツを組み込んだ車を、本来の相場の倍以上の金額で買わされる事を考えたら、多少カスタムされている車でも買った後から自分好みに仕上げた方が良い場合もあります。もちろん今回の話題のカスタムとは、エンジンやミッションを除くエアロや足回り、マフラー等の話です。個人的にはエンジン等は、親しくて信用出来るチューナーさんから提供されるモノ以外は手を出しません。流通しているチューニングカーは素性がきちんと解るモノは少ないので、私はあまり手を出したくないです。ちなみに昔はエンジン等のパーツの金額が上がっていなかったので、私もブログで「エンジンの不具合等は１２０万円くらいで大体直せるし、外装もそれなりに希望に合ったモノを選んだ方が良い。」と言っていましたが、現在ではまったくそんな事はありません。現在はポルシェ・９１１ターボ（９６４）のエンジンのオーバーホールで２００万円レベルになる事も多々ありますし、純正外装パーツも当時とはレベルの違う値段になって来ていますので、今は「機関系がきちんとした車を、後から信頼性の高い社外パーツを使って自分好みに仕上げる。」と言うスタイルをオススメしています。まぁ「外装も機関も、後から直すにはお金がかかる。」と言う点は一緒ですが、以前とはかかる金額のレベルが違って来ているのです。「外装も内装も純正だから、この固体は安心！」と言う考えは１番キケンですので、中古車を検討される場合は外装等に惑わされずに選ぶ事をオススメします。