悲しい世の中。

もう去年の話になりますが、中央自動車道の笹子トンネルで非常に痛ましい天井崩落事故がありました。この事故で亡くなった９人の方達のご冥福をお祈りします。なぜ今になってこのような痛ましい事故を思い出したのかと言うと事故以上に痛ましい誹謗中傷がネットに溢れかえっているからです。ご存知の方も多いと思いますが、NHKの記者の方の乗るスバル・インプレッサ（GC８）が崩落して来た天井でダメージを受けながらも何とか生還出来たと言う、このような事故の中では嬉しい出来事に対してヒド過ぎるコメントが数多く寄せられているそうです。あれだけの不幸な大惨事から死を目前にしながらギリギリで生き延びた人間に対して「スピード違反だ。」や「自分だけ助かれば良いのか？」、「HNKのくせに良い車乗ってんな！」等と言う人間はどうなのでしょうか？世の中色々な人間がいるのは事実ですが、このような事を言う人間は人として疑問を持ちます。ネットは匿名で投稿出来るのである意味その人間の本質を垣間見る事が出来ると思いますが、このような事を本気でも冗談でもコメントする方が多数いる事に驚きと悲しみを覚えました。また、今回この事故から生還した車両の写真も見つけましたので安全について改めて考えてみようと思います。


まず上の動画をご覧頂くと解るように左側面がかなりダメージを受けています。落ちて来た天井が当たったのでしょうか？上から押し潰されたようになっています。落ちて来たコンクリート板は１枚約１ｔの重さがあったらしいですがこの重量のコンクリートがかすめたのにタイヤがほとんどズレていないのがスゴいです。やはりインプレッサの高剛性ボディのおかげなのでしょうか？剛性の低い車だとボディが当たった部分を中心にねじれてしまってまともに走れなさそうです。また、天井が落ちて来た時にフルスロットルで走り抜けたそうですが、インプレッサのあの怒涛の加速が結果的に命を救った事になります。こうして考えるとやはり安全な車と言うのは動力性能も非常に重要に思えて来ます。今の自動車業界は安全と言うとエアバッグやブレーキシステムに目が行きがちですがやはり瞬発力も重要なのではないでしょうか？しかしこのインプレッサは初期型との事なのでもう２１年前の車と言う事になります。これだけ古いのにこの剛性を保っていられると言うのはスゴいです。やはりラリーのベースとして設計されているからなのでしょうか？今はエコが重視されている世の中なので軽くてパワーのある燃費のよろしくない車は肩身が狭いですが、いざと言う時の動力性能は安全にとって必要なのでは？と思わせる写真でした。ドライバーの方の生還を心より祝福すると共にこのような事故が金輪際起きないような安全な道路を造ってもらいたいと思います。